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2025.01.28

レアメタル千夜一夜 第九夜 バッテリーメタルの過去の事件と将来予測

第11回バッテリーセミナー(25年2月17日、18日)が近づいてきたが、討論会の論点を絞り込み、より有意義な発表会としたい。


⇒2025年2月18日(火) 第11回BatterySummit in TOKYO 


その為にも以下に、リチウム、コバルト、ニッケルに関連する重要な過去の重要事件をランキング形式で示し、それぞれの理由を説明したいと思う。また、将来的に起こる可能性のある事件についても併せて予想してみたい。


### 総合ランキング(過去の重要な事件)


#### 10位: コバルト価格の高騰(2017年)


– 理由: コバルトの価格が急騰したことで、電気自動車や電子機器に対するコストが上昇し、企業がコスト管理や供給源の多様化を考えるきっかけとなった。この事件は、コバルトの需給バランスが不安定であることを示し、業界全体に影響を与えた。


#### 9位: 企業のサプライチェーン監査強化(2021年)


– 理由: 人権問題や環境問題への関心が高まる中、企業はサプライチェーンの透明性を強化する必要があった。特にコバルトの供給源であるコンゴの問題が注目され、企業の調達方針が見直されるきっかけとなった。


#### 8位: 中国のリチウム産業の拡大(2019年)


– 理由: 中国がリチウム資源を確保し、国際市場での支配力を強化することで、世界のリチウム供給に大きな影響を与えた。これは、他国のリチウム政策や企業戦略にも波及効果をもたらした。


#### 7位: 新たなニッケル鉱山の開発(2020年)


– 理由: インドネシアでの新たなニッケル鉱山開発が進行することで、ニッケル供給の安定化が期待された。これにより、バッテリー産業の成長を支える基盤が整うこととなった。


#### 6位: リチウム供給チェーンの課題(2021年)


– 理由: サプライチェーンの脆弱性が露呈し、特にパンデミックや地政学的リスクが影響を与えることが明らかになった。これにより、企業のリスク管理戦略が重要視されるようになった。


#### 5位: コバルト代替材料の研究(2020年)


– 理由: コバルトの供給リスクや価格変動に対する懸念から、代替材料の研究が進んだ。これにより、将来的なバッテリー技術の革新が期待され、業界全体に影響を与える可能性があった。


#### 4位: リチウム鉱山の開発計画(2018年)


– 理由: 南米やアメリカでのリチウム鉱山開発が進む中、環境への影響が問題視され、地域住民との対立が発生した。この問題は、リチウム供給の持続可能性に関する議論を引き起こした。


#### 3位: ニッケル価格の暴騰(2022年)


– 理由: 電気自動車の需要が高まる中で、ニッケル価格が急騰。これがバッテリーコストに影響し、企業の戦略に大きな変化をもたらした。加えて、青山集団のDealがあり、瞬間的に10万ドルを超えた。のちにこの取引は「無かったこと」となり大問題に発展。


#### 2位: コンゴ民主共和国のコバルト供給問題(2018年)


– 理由: 人権問題や環境問題が顕在化し、国際的な批判を受ける中、企業が供給源の見直しを迫られる事態となった。この問題は、コバルト供給の持続可能性に対する警鐘となった。


#### 1位: リチウム価格の急騰(2016-2017年)


– 理由: リチウム価格の急騰は、電気自動車市場の成長に大きく寄与し、リチウム供給の確保が喫緊の課題となった。この事件は、リチウムの重要性を再認識させ、業界の動向を大きく変えるきっかけとなった。


### 将来的に起こる可能性のある事件簿


1. 新たな環境規制の導入:


– 環境問題への意識が高まる中、リチウムやコバルト、ニッケルの採掘に対する規制が厳格化される可能性がある。これにより、供給が減少し、価格が上昇するかもしれない。


2. リチウムリサイクル技術の商業化:


– リチウムやコバルト、ニッケルのリサイクル技術が進化し、商業化されることで、資源の持続可能な利用が実現する可能性がある。


3. 新しいバッテリー技術の登場:


– コバルトやニッケルの代替材料を使用した新しいバッテリー技術が市場に登場し、既存の供給チェーンに影響を与える可能性がある。


4. 国際的な供給戦争:


– 電気自動車の需要が増加する中で、各国が資源確保に乗り出し、国際的な供給戦争が発生する可能性がある。


5. 企業の合併・買収の加速:


– 競争が激化する中で、資源を確保するための企業の合併・買収が加速する可能性がある。


これらの未来の事件は、過去の動向や現在の市場状況と密接に関連しており、業界の変化に大きな影響を与えると考えられます。
将来的に起こる可能性のある事件について、その深刻な問題点を分析し、発生理由を挙げて以下ランキング形式で示します。


### 将来的に起こる可能性のある事件のランキング


#### 5位: 新たな環境規制の導入


– 発生理由: 環境問題への意識が高まる中、政府や国際機関が環境保護を最優先するための規制を強化する動きがある。これにより、リチウム、コバルト、ニッケルの採掘が難しくなり、供給不足を引き起こす可能性がある。
– 問題点: 規制が厳格化されることで、企業は生産コストの増加に直面し、最終製品の価格が上昇する可能性がある。


#### 4位: 新しいバッテリー技術の登場


– 発生理由: 企業や研究機関がコバルトやニッケルの代替材料を使った新しいバッテリー技術を開発することで、既存の供給チェーンに影響を与える可能性が高い。
– 問題点: 新技術が普及することで、既存の資源の需要が減少し、供給元の経済に悪影響を及ぼす可能性がある。


#### 3位: リチウムリサイクル技術の商業化


– 発生理由: 環境保護や持続可能な資源利用の必要性から、リチウムやコバルト、ニッケルのリサイクル技術が進化し、商業化されることが期待される。
– 問題点: リサイクル技術が十分に普及しなければ、資源の枯渇が進み、供給の不安定化を招く恐れがある。


#### 2位: 国際的な供給戦争


– 発生理由: 電気自動車や再生可能エネルギーの需要が急増する中で、各国が資源確保に乗り出し、国際的な競争が激化する。
– 問題点: 供給戦争が発生すると、価格の不安定化、供給の混乱、さらには国際的な緊張を引き起こす可能性がある。


#### 1位: 企業の合併・買収の加速


– 発生理由: 激化する競争の中で、企業が資源確保や市場シェア拡大を狙って合併・買収を進める。
– 問題点: 合併・買収が進むことで、競争が減少し、価格が高騰する可能性がある。また、特定の企業や国による資源の独占が進むことで、供給のリスクが高まる。


### アメリカ、中国、日本の対応姿勢


– アメリカ: アメリカは、国内のリチウムやコバルトの供給源を確保するための政策を進めており、特に環境規制の強化や再生可能エネルギーの推進に注力している。国際的な供給戦争に備え、友好国との協力を強化する姿勢が見られる。


– 中国: 中国は、リチウムやコバルト、ニッケルの供給源を世界中で確保するために積極的な投資を行っている。また、国内の電気自動車市場を拡大するために、資源の確保とリサイクル技術の開発を進めている。国際的な影響力を強化しようとする姿勢が強い。


– 日本: 日本は、資源の供給リスクを軽減するために、リサイクル技術の研究開発や、海外での資源確保に向けた戦略的なパートナーシップを模索している。環境問題への配慮を強調しつつ、持続可能な資源利用を目指す姿勢が見られる。


これらの国々の対応は、将来的な資源供給の安定性や価格の変動に大きな影響を与えるでしょう。


以上を参考にしてバッテリーサミットに於けるパネルディスカッションで近未来の可能性を絞り込みができれば幸甚です。

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